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アメリカの小学校(6) [小学校]

ESOL(English for Speakers of Other Languages)について、その2
息子の学校はESOLが充実しているだけあって、先生も厳しいなかなかの人物でした。

面談の日、息子について「彼は単語の記憶能力に問題(異常)があると思う。何度教えても同じ間違いをする。一向に直らない。それに彼は私に宿題は嫌いだと言った。」と半ば怒り気味で言いました。その日、私達は恐縮して帰りました。

その後、数日間息子の様子を観察しました。その結果、まさに息子は英語の勉強が好きでなく、いやいややっており、それゆえはかどりも悪ければなかなか習得できないことが分かりました。

それなのに、先生は容赦なく、大量のDo again!(やり直し)と新しい宿題を出してきます。ある日、Do again!だけで1時間半かかる日がありました。私は耐えかねて。「Do again!が多い日は思いやりをもって、宿題の量を調節してください」と手紙を書きました。

これがいけませんでした‥。子供はだけでなく、親(私)までもが先生を怒らせてしまいました。たまたまかもしれませんが、数日間先生は息子の前に現れず、学校に電話をして、先生に電話をしてくれるよう頼んでも返事が来ませんでした。

夫からは「余計なことを言うからこうなったんだ、任せておけばよかったのに」などと小言を言われました。このままではひきさがれません!

私は考えました。息子は前回の米国暮らしの経験から英語を勉強することには強烈な拒否反応があること、勉強している内容の話題が息子の興味からずれていること、我々は一年で帰国するので日本の勉強もおろそかに出来ないのでESOLにばかり時間をさけないことなどが問題で、これを解決するために、私としては日本の勉強をもっと効率よくすること、先生にはESOLの宿題を少し減らしてもらうこと、ESOLで勉強する内容について息子の興味のある話題(例えば歴史よりは科学的な話題にするなど)を取り入れて、やる気を起こさせるように努力してもらうことが必要だと考えました。

そして、先生と面接の約束を取り付け、学校に行きました。
先生は日本の勉強に対しての大切さには理解を示しましたが、それゆえにESOLの宿題を減らせる姿勢は示しませんでした。むしろ、日本の勉強を減らすよう要求してきました。

次に勉強の話題については、例えば覚えが悪いと指摘された週一回のスペルテストに科学や算数に関する単語を入れてくれるよう頼みました。そうすれば息子の英語に対する興味が沸き、やる気が起こると思うと言いました。

しかし先生は息子のためだけに単語のテストの内容を変える訳にはいかないと言いました。それもその通りです。しかし、暫く沈黙した後、先生は今までのスペルテストにプラスして試験することなら出来るといいました。

これでは、私の「負担を減らす」という目論見から外れるどころか逆効果です。しかし、とにかく少しでも興味のある話題をいれたほうが良いと思い、先生の申し出を受けることにしました。実際には「受けて立つ」という覚悟でした。

その次のスペルテストの結果がでるまで、とても緊張しました。
しかし、その次の週先生に会うと、先生はそれまで見たことも無かった笑顔で私に近づいてきて「科学の単語を5個入れたら、かれは全部正解したのよ!私はテストの内容を変えて成功したわ!」と言っていました。

自分の成果のように喜ぶ先生を見て、内容を変えるよう、提案したのは私だったはずだがと思いましたが、とりあえず先生は喜んでいるし、息子の記憶能力についての疑いも晴れたようなので、よしとしました。

ちなみに、こちらの先生は優れた成果を出している先生ほど、自分の教育方針に自信を持っているので、その方針に意見されることをとても嫌うことがあるそうです。どうやら私は地雷を踏んでしまったようです。

この先生と今まで一戦交えた保護者は何人かいたそうですが、ESOLのクラスから抜けることになったり、先生とは目をあわさない仲になったりした人もいたそうです。そんなことにならなくて済み、本当に良かったと思いました。

その後、その先生はとても私に好意的になりました。一方、息子には最後まで厳しかったです。先生に「宿題は好きじゃない」なんていうやつですから、当然の報いです。


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コメント 3

masa63

前回、今回とMockingbird さんの葛藤編という感じですね。それにしても、一時は対立しあっても結果が良ければ親しくなれるというのは万国共通なんですね。それがわかってホッとしました。(笑)
by masa63 (2005-07-25 00:48) 

確かに、先生だけではなく平均的にみても日本人に比べ自分に自信をもち、自己表現が得意ですよね。
聞いていると、言ったもの勝ちか?なんて思ったりしてますが。
日本人はいい意味で礼儀正しく謙虚でありますが、その分割を食うことが多い気がします。
by (2005-07-25 08:53) 

Mockingbird

tanamasaさま
 怒らせたときは本当にあせりました。でもこちらもおかしなことを言っているつもりは無かったですし、先生も教育熱心ゆえにそのような態度になることが分かっていたので、息子の勉強に関して積極的に先生に協力する姿勢を見せれば、このようなタイプの先生の理解は得られるはずだと思って踏み耐えました。
そこが、単にプライドだけが高く自分の教育方針に意見されることを嫌う先生と異なり、この先生がなかなかの先生だったのだと思っている理由です。

bikさま
言った者勝ちとは、思い返すとその通りだと思います。
また、提案なき意見は相手にされないようです。そして、互いの妥協案を探すという考えも無いようです。あなたの意見も入れるけど、わたしも譲るつもりはないわ、と言う感じでしょうか‥日本社会とくらべてキツイです。
by Mockingbird (2005-07-25 11:06) 

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